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老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)-多焦点IPCL

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)

ICL(眼内コンタクトレンズ)は、目の中(虹彩と水晶体の間)に小さなレンズを挿入することによって、屈折異常(近視・遠視・乱視)を矯正する視力矯正手術です。ICLは有水晶体眼内レンズともいい、水晶体を温存したまま行うことによって高質な見え方を実現することができます。

視力の長期的な安定性と万一の際は摘出して元に戻せるリバーシブルな手術であることから、LASIK(レーシック)に代わる治療として近年注目を集めています。

通常のICL(STAAR Surgical社製)では鮮明な見え方を実現できる一方で老眼に対しては未対応となります。

しかし現在ICLで未対応だった老眼に対して現在、老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)=多焦点IPCL(EyeOL社製)が登場しています。
この記事では、老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)と通常のICLとの違い、メリットやデメリットについて解説します。

この記事で解説していること

  • ✔老眼とは
  • ✔ICL(通常)で老眼が矯正できない理由
  • ✔老眼用ICL(遠近両用眼内子コンタクトレンズ)とは
  • ✔老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)のメリット・デメリット
  • ✔ICL(通常)と老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)の違いについて
  • ✔老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)の費用について

当院ではLINEによる治療・手術の相談を実施しております。
お気軽にご利用ください。

老眼とは

老眼とは

老眼は、加齢と共に目のピントを調整力が衰えることによって、主に遠くから近くにピントを合わせる際に近くのものが見えにくくなる症状です。

老眼は目の病気ではなく、老化現象であり、視力の良し悪しに関係なく誰にでも起きます。人はモノを見るとき、水晶体(カメラのレンズに相当する部分)の厚さを調整することによってピントを合わせています。加齢で水晶体が硬くなり弾力が失われていくと水晶体の厚みを調整しづらくなります。

40代後半頃から老眼を自覚することが多く、主な症状として目のかすみや疲れ、肩こりなどがあります。

ピント調整の仕組み

ICL(通常)で老眼が矯正できない理由

ICL(眼内コンタクトレンズ)

ICLは目の中にレンズをインプラントする手術です。別名「有水晶体眼内レンズ」ともいい、水晶体を摘出して眼内レンズを挿入する白内障手術と異なり、水晶体を温存したまま行う手術になります。ピント調整を担う水晶体が残りますので、裸眼と同様にモノを見ることができます。

しかし、ICLは屈折異常を矯正する治療であり、水晶体そのものに症状が出る老眼には対応することができません。ICLを行っていても老眼が始まると徐々に近くが見づらくなりますので、人によっては近くを見る際に老眼鏡の装用が必要となります。

現在、屈折異常に加えて老眼にも対応した老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)※EyeOL社製(イギリス)が登場しています。

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)は、白内障手術時に用いられる多焦点眼内レンズの構造を応用して作られており、目の中に入ってくる光を「遠方」に50%、「中間」に30%、「近方」に20%ずつ振り分けることによって近くから遠くまで見えるように設計されています。「近方」にも光を振り分けているため、近視・遠視・乱視に加えて老眼の矯正も可能となります。ただし、レンズの眼内に取り込んだ光を配分する構造上、ICLと比較して見え方の質がやや劣る、ハロー・グレア(※)を自覚しやすいなどのデメリットもあります。

ハロー・グレアとは

  • 暗いところで光を見ると光の周りに輪がかかって見える現象をハロー、光がギラついて見えたり、まぶしく感じる現象をグレアといいます。

レンズ素材はICLと異なり、ハイブリット親水性アクリルで作られています。
2014年より発売を開始し、2017年に現在のレンズモデルとなり、ヨーロッパでCEマーク(※)を取得しています。ヨーロッパを中心に全世界40カ国で10万枚以上の挿入実績を持ち、日本では2015年より治療実績があります。レンズは、房水の流水経路を確保するため、レンズのセンター部分に1箇所、光学部周辺に2箇所の「ホール」が設けられています。また、前房と後房の圧力を一定にするため光学部と支持部中間に4つの「ホール」を持ちます。これにより、白内障や緑内障などの合併症のリスクを大幅に低減しています。
ICLと同様、水晶体を温存したまま行う手術になりますので、年齢と共に白内障は進行します。白内障手術の際には、安全にレンズを摘出することが可能です。

CEマークとは

  • 製品をEU加盟国に輸出する際の品質や安全性の基準を満たしていることを証明するマーク

老眼用ICLのメリット・デメリット

老眼用ICLには、通常のICLと異なる特有のデメリットも存在します。

治療を検討する際には、メリットだけでなく、デメリットについても把握しましょう。

メリット

  • 屈折異常(近視・遠視・乱視)と老眼の同時治療
  • 水晶体を温存するため、裸眼の見え方に近い
  • 安全性が高い
  • 元に戻せる

デメリット

  • レンズの挿入実績がICLと比較して少ない(歴史が浅い)
  • ハロー・グレアを自覚しやすい(通常のICLと比較して)
  • 見え方の質がやや落ちる
  • 治療費が高額
  • 内眼手術特有のリスクがある
  • 手術を受けられるまで時間がかかる

メリット

老眼用ICLのメリットについて解説します。

– 屈折異常(近視・遠視・乱視)と老眼の同時治療


老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)では、ICLでは未対応だった老眼の治療が可能となります。

– 水晶体を温存するため、裸眼での見え方に近い


白内障手術では、濁った水晶体を摘出し、代わりに人口の眼内レンズを挿入します。水晶体を摘出するため、単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズ共に見たい距離にピントを合わせるように調整するので、ピントの合っていない距離については状況に合わせてメガネの装用が必要となります。
老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)では、レンズでの矯正効果に加え、水晶体のピント調整力が加わることによって遠方から近方までより自然な見え方が可能となります。

– 安全性が高い、元に戻せる


レンズには眼球内を房水という特殊な水が循環しています。以前のICLでは、レンズにホールが無かったため、房水の流れを妨げてしまい確率は高くありませんが、一定の割合で白内障や緑内障などの合併症がありました。老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)では、房水の流水路を確保するためのホールと前房と後房の圧力を一定に保つためのホールが計7ヶ所設置され、これらの合併症のリスクを大幅に低減させています。また、ICLと同様に可逆性の高い手術であるため、万一の際はレンズを摘出して元の状態に戻すことができます。(白内障手術を行う場合など)

デメリット

– レンズの挿入実績がICLと比較して少ない


ICLは20年以上の歴史を持ち、世界で100万眼以上の挿入実績を持ちます。また、2014年には厚生労働省から認可を受け、治療の有効性や安全性は国が認めているものになります。一方、老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)はCEマークを取得していますが、まだアメリカのFDAや日本の厚生労働省からの認可は下りていません。それでも8年以上の歴史と10万枚の挿入実績があります。

– ハロー・グレアを自覚しやすい(ICLと比較して)


複数に焦点を合わせるためにレンズ構造が複雑になっており、ICLと比較するハロー・グレアを自覚しやすくなる傾向があります。多くの場合、見え方に慣れるにつれて気にならなくなります。レンズの種類によってはハロー・グレアを低減するモデルのレンズもあります。

– 見え方の質がやや落ちる


眼内に取り込んだ光を「遠方」「中間」「近方」に割り振る構造になっており、一点に焦点を合わるICLと比較すると同じ距離においてはやや見え方の質(鮮明度)が落ちます。またICLと異なり、老眼も矯正できますが薄暗いところでは多少見づらさを感じたり、人によっては、細かい文字を読むときや作業をするときは軽い老眼鏡の装用が必要となる場合があります。

– 手術を受けられるまで時間がかかる


オーダーメイドレンズとなり、費用が高額になります。またレンズ構造の複雑性から通常のICLのレンズよりも高価になります。

– 治療費が高額


オーダーメイドレンズとなり、費用が高額になります。またレンズ構造の複雑性から通常のICLのレンズよりも高価になります。

ICL(通常)と老眼用ICLの比較

ICL(眼内コンタクトレンズ)
STAAR Surgical社製(アメリカ)

ICL(眼内コンタクトレンズ)

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)
EyeOL社製(イギリス)

老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)

←横にスクロールすると表が見れます

ICL(眼内コンタクトレンズ) 老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)
メーカー STAAR Surgical社(アメリカ) EyeOL社(イギリス)
レンズ素材 コラマー(コラーゲンとHEMAの共重合体) ハイブリッド親水性アクリル
安全性 高い 高い
屈折異常
(近視,遠視,乱視)
対応 対応
老眼対応 未対応 対応
見え方の質(鮮明度) 高い 高い(ICLと比較するとやや低い)
ハロー・グレア ほとんどない 若干あり
レンズサイズ 4種類 13種類
厚生労働省の認可 あり なし
FDAの認可(アメリカ) あり なし
CEマークの取得 あり あり
費用 高価
片目346,500円(税込)※当院の場合
ICLより高価
片目440,000円(税込)※当院の場合

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費用

老眼用ICL(乱視なし) 880,000円(税込)
老眼用ICL(乱視あり) 980,000円(税込)
※適応検査(術前検査も含む) 5,500円(税込)

※ICLは自由診療となり、保険適用外となります。
※片目の場合は半額となります。(手術費用)
※手術費用内に術後半年間の検診費用も含まれています。
※保証期間は3年となります。

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当院のICL手術について

当院で行うICL手術については、国内12名のみが認められたICLエキスパートインストラクターの院長 福岡佐知子医師が全て執刀を行います。

当院ではICLをはじめ老眼用ICL(遠近両用眼内コンタクトレンズ)にも対応しています。それぞれのレンズに違いがあり、患者様のご年齢やライフスタイルに合わせてレンズ選択をすることが大切です。
また医師をはじめ、屈折矯正手術、眼内レンズに精通したスタッフが複数名在籍していますのでご安心ください。

当院では、無料LINEによるご相談も承っておりますので、
お気軽にご活用下さい。

白内障手術

院長 福岡 佐知子 医師
日本眼科学会認定 眼科専門医
後房型有水晶体眼内レンズ(ICL)認定医・エキスパートインストラクター

ICLエキスパートインストラクター認定書

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ご理解をいただけますと幸いです。
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記事監修者について

日本眼科学会認定 眼科専門医

眼科医 福岡 佐知子

眼科専門病院で17年間勤め、眼科医療の最前線で幅広い専門分野、年齢層の手術に対して多数の執刀実績を持ちます。難症例や合併症を含む白内障手術から眼科手術で最も難しい手術とされる硝子体手術を得意としています。また、国内で眼科医にレーシックやICLの技術的指導を行うインストラクターとしても活動をしています。

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