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レーシックとICLの比較

レーシックとICLの比較

レーシックやICLなどの屈折矯正手術をご検討の方は、
是非一度読んでみてください。

近年、角膜を削らない屈折矯正手術として「ICL(眼内コンタクトレンズ)」の需要が高まっています。
世界で100万眼以上の治療実績を持ち、国内でも多くの方がICLを受けられています。

一方で屈折矯正手術の代表的なものとしてレーシックがあり、よくレーシックとICLどっちがいいの?という質問を受けます。前提としてレーシックもICLも安全性の高い手術として確立されており、どちらの手術が適しているかは患者様の目の状態によって変わります。レーシックとICLでは、それぞれ得意としている領域が異なるからです。

今回は、それぞれの手術方法の違いや特徴、メリット・デメリットについて解説します。

この記事で解説していること

  • ✔レーシック(LASIK)とICLの手術内容と安全性について
  • ✔レーシック(LASIK)とICLのメリット・デメリット
  • ✔レーシック(LASIK)とICLの費用
  • ✔レーシック(LASIK)とICLへの当院の考え方

当院ではLINEによる治療・手術の相談を実施しております。
お気軽にご利用ください。

レーシックとICLの比較

レーシックとICLの比較

レーシックとICLでは、それぞれ得意な領域が異なります。端的にまとめるとレーシックは微調整が可能で小さな度数を動かすことを得意としています。近視が軽度な場合には、ICLよりレーシックが適していることもあります。また白内障手術後に残った近視・遠視・乱視を治療し、裸眼での見え方を改善するタッチアップというレーシック手術もあります。一方でICLでは、強度近視への治療に有効的で大きく度数を改善することを得意としています。
この項目では、それぞれの治療の基本的な施術内容からメリットやデメリット、費用、術後について詳しく解説します。

ICL(眼内コンタクトレンズ) レーシック(LASIK)
手術内容 目の中(虹彩と水晶体の間)にレンズをインプラント(移植)する 角膜をレーザーで削り、角膜形状を変えることによって視力矯正をする
安全性 かなり高い かなり高い
適応範囲 広い(-3.00D〜-18.00D※-15.00D以上は慎重実施)
角膜が薄い方でも受けることができる
受けられない場合がある(-10.00Dまで※-6.0D以上以上は慎重実施)
十分な角膜厚が必要(角膜を削るため)
視力の安定性 高い 術後5年〜10年で一定の割合で近視の戻りが発生する
可逆性(元に戻せるか) 万一の場合は摘出し、元の目の状態戻せる 角膜を削るため、元に戻せない
費用 高価 ICLよりも安価

レーシック(LASIK)

レーシック(LASIK)

レーシックは、エキシマレーザーを角膜に照射し、角膜を削ることによって屈折力を調整する屈折矯正手術です。
片目10分程度で終わり、ダウンタイムが短く、裸眼で早期の日常生活への復帰が期待できます。

メリット

  • 裸眼で生活ができる
  • 視力回復が早い
  • ICLと比較するとリーズナブル
  • 安全性が高い
  • 短時間の手術で術中

デメリット

  • 角膜を削るため、元に戻せない
  • 近視の戻りなどの術後視力の低下の可能性
  • ハロー・グレアの可能性
  • 一時的なドライアイの可能性

適応範囲について

  • 18歳以上かつ視力矯正で視力が安定している方
  • 十分な角膜厚が残せる方
  • 重篤な眼疾患がないこと
  • 重篤な糖尿病・膠原病など全身の病気がないこと
  • その他、医師が不適当と判断する眼疾患や全身疾患などがないこと

レーシックでは、角膜を削って屈折力を調整するため、視力矯正を行うのに削れる角膜が十分にあることが大前提となります。基本的には、矯正する度数が大きければ、大きいほど角膜の削る量も増えます。
レーシックで視力矯正を行う場合の度数範囲は-6.00Dまでが原則となります。
慎重実施という形で-10.00Dまでが適応範囲となりますが、-6.00D以上(強度近視)の場合、近視の戻りが起きやすく、長期的に良好な視力が得られないため、前房が浅いなどの特別な事情がなければ、ICLをおすすめします。

安全性について

レーシックは、20年以上の歴史を持ち、屈折矯正手術としては、累計で4,000万件以上の症例数を持つ最もポピュラーな屈折矯正手術です。日本国内においては、2000年に厚生労働省が「エキシマレーザー」の屈折矯正手術への適応を認可しています。

レーザーには、眼球自動追尾装置が備わっていて、大部分の手術過程をコンピュータ制御化で行いますので、術者の技量への依存度が低くなります。

ICLが内眼手術という眼球内で行われる手術に対して、レーシックは目の表面上で行う外眼手術ですので、万一感染症を起こした際のリスクという観点においては、レーシックの方が安全性が高いと言えるかもしれません。

手術である以上、100%の安全はありませんが、失明のリスクなどは殆ど0に近いです。

術後の見え方について

レーシックは、術後のダウンタイムが短いのが特徴で、早ければ手術当日から視力が上がり、多くの方が手術翌日までによく見えるようになります。手術も短時間で、手術後すぐにご帰宅いただけますので早期の日常生活への復帰が期待できます。

レーシックでは、安全性の観点から角膜にフラップという蓋を作成しますが、角膜の知覚神経を遮断するため、涙の分泌量が減り、一時的にドライアイが起きやすくなります。

また角膜を削るため、患者さまによって見え方に違和感を感じたり、若干コントラス感度の低下を自覚しやすい傾向にあります。

その他、ICLにも同じことが言えますが、光に輪がかかっているように見える「ハロー」や光が眩しく感じたり、滲んで見えたりする「グレア」などの症状が起きる可能性があります。ただし多くの場合は、時間の経過とともに落ち着いてきます。

視力の安定性について

術後、長期に渡って視力が安定することが大半ですが、近視が強い方は、矯正手術後も生涯少しづく近視が出てきて裸眼視力が低下することがあります。また、眼球内は内側から外側に向かって常に一定の圧力がかかり、球形を維持していますが、角膜を削る量が多い場合(強度近視など)、内側からの圧力に対する角膜の強度が弱まり、角膜が前方に突出する医原性角膜拡張症(エクタジア)を起こすことがあります。この場合、レーシックによる追加照射は禁忌ですから、角膜を固めるクロスリンキングを行ったり、追加の矯正としてICLを行うことがあります。

元に戻せるか

レーシックでは角膜を削るため、元の状態に戻すことはできません。

費用

レーシックの費用相場は両眼で20万円から40万円ほどとなります。
ICLと比較すると安価な傾向にあります。
乱視の有無、保証内容、追加施術などによって費用が変動する場合があります。
レーシックは自由診療となりますので、単純に表記価格だけで判断せずに内訳や保証内容、術前術後の総額で判断することをおすすめします。

ICL(眼内コンタクトレンズ)

ICL(眼内コンタクトレンズ)

レーシックがエキシマレーザーを照射して、角膜をカーブを整えることによって視力調整を行う手術に対して、
ICLでは、小さなレンズを眼球内にインプラントすることによって視力矯正を行います。
一度挿入したレンズは、メンテナンスの必要がなく、半永久的に使い続けることが可能です。

メリット

  • 裸眼で生活ができる
  • 角膜を削らないため、近視の戻りが少ない
  • 適応範囲が広い(強度近視や角膜が薄い方も可能)
  • 見え方の質が高い
  • 安全性が高い
  • 万一の場合は摘出が可能

デメリット

  • 手術を受けられるまでに時間を要する場合がある
  • 費用が高額になる

適応範囲について

  • 21歳(※原則)以上かつ視力矯正で視力が安定している方
  • 重篤な眼疾患がないこと
  • 重篤な糖尿病・膠原病など全身の病気がないこと
  • その他、医師が不適当と判断する眼疾患や全身疾患などがないこと

ICLでは、角膜の薄い方や強度近視(-6.00D)の方、軽度円錐角膜の方(慎重実施)も治療を受けることが可能です。またICLの視力矯正範囲は-3.00D~-18.00D(-15.00D以上は慎重実施)となり、適応範囲がかなり広いのが特徴です。屈折矯正手術をご検討の方には、角膜の厚みが十分に確保できるのであれば、-3.00D未満の軽度近視にはレーシック、-6.00D以上の強度近視の場合にはICLを基本的にはおすすめしています。

安全性について

ICLでは、手術の際に約3mmの切開創からレンズを挿入し、手術自体は両眼でも10分〜15分で終わります。切開創が小さいため、縫合する必要はなく自然治癒します。

従来のICLでは、緑内障や白内障のリスクがありましたが、現在ではホールICLと呼ばれ、レンズの真ん中に約0.36mmの穴が空いています。これによって房水の循環が確保され、これらのリスクは大幅に軽減されました。

ただし、ICLは眼球内で行われる手術のため、確率はかなり低い(0.02%)ですが、術後眼内炎という合併症を起こすリスクがあります。術後眼内炎のリスクを限りなく0に近づけるため、手術室は感染症対策を徹底したクリーンな環境下で行います。加えて、術後は定期検診を受けていただき、日常生活においても目の状態が安定するまではいくつかの制限を守っていただいております。

当院では、前述の取り組みと合わせて、滅菌技師の資格を持つスタッフが複数名在籍し、細心の注意を払って手術を行っています。

術後の見え方について

手術当日はぼんやりとした状態ですが、多くの方が翌日から鮮明に見えるようになります。また角膜を削らないため、見え方の質も良好です。
レーシックと同様に術後、ハロー・グレアを自覚する方もいらっしゃいますが、徐々に治まっていきます。

視力の安定性について

ICLでは、目にコンタクトレンズを移植する手術で永久コンタクトレンズと呼ばれることもあります。
メンテナンスの必要はなく、長期に渡って視力が安定します。
またレンズ(STAAR Surgical社製)は生体適合性が高く、柔らかい素材でできているため、割れるなどの心配もありません。ただし、トーリックレンズ(乱視用のレンズ)の場合、強い衝撃が加わると目の中でレンズが回旋し、乱視の軸がズレてしまう場合があります。このようなケースでは、再手術によりレンズの位置修正を行うことが可能です。

元に戻せるか

角膜を削るレーシックに対して、ICLでは、目の中にレンズを移植する手術のため、万一の場合は摘出して元の目の状態に戻すことが可能です。

別の目の病気の罹患して摘出が必要になる場合や白内障手術を受ける際などには、安全に取り出して通常通り治療や手術を受けることが可能です。

費用

ICLの費用相場は45万円から80万円ほどと医療機関によってかなり幅があります。
レーシック同様、自由診療となり、価格設定は医療機関が自由に設定することができます。
価格がレーシックより高額になる理由、医療機関によって異なる理由は下記の通りです。
①患者様一人一人のレンズをオーダーメイドするため(レンズが高価)
②医師の技術料
③取り扱うレンズの種類
(日本国内において現在3種類の眼内コンタクトレンズが流通しています。レンズの種類によって原価が異なります。
当クリニックでは、現在厚生労働省から唯一認可を受けているSTAAR Surgical社製のレンズを採用しています。)
④乱視の有無(同一価格の場合もあります)
⑤保証内容(検診費用、レンズの入れ替え、位置修正など)

まとめ

ここまでのところでレーシック(LASIK)とICL(眼内コンタクトレンズ)の基本的な施術内容から術後に至るまでを解説させて頂きました。
どちらの手術も安全性の観点では、高水準であり、それぞれ既に確立された治療法になります。

費用面においては、レーシック(LASIK)の方がICL(眼内コンタンクとレンズ)よりも費用負担を抑えられる傾向にあり、大体半分程度が相場感のようです。
一方で術後視力の見え方や安定性、可逆性(元に戻せるか)という観点においては、ICLの方が優れているといえそうです。
ただし、必ずしもICL(眼内コンタクトレンズ)が優れているわけではなく、比較的近視の度数が低い場合には、レーシック(LASIK)をおすすめさせて頂く場合もあります。

前述の通り、レーシック(LASIK)とICL(眼内コンタクトレンズ)では、得意としている領域が異なるため、一概にどちらがいいとは断言ができません

だからこそ、医療機関として患者さまの目を診させて頂くにあたり、患者さま一人一人が固有に抱える目の状態や目の問題を明らかにし、それぞれの施術への理解と分かりやすい説明、リスク許容度、適正などから総合的に判断し、治療を提案していくことが大切であると当院では考えております。
当院では両施術について深い知見、手術経験を持つ医師が診察から手術、術後に至るまで責任を持って対応しますので、お気軽にご相談ください。

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当院のICL手術について

当院で行うICL手術については、国内12名のICLエキスパートインストラクターの1人である院長の福岡佐知子医師が全て執刀します。また国内で眼科医に対してICLやレーシック(LASIK)の技術指導を行うインストラクターとして活動し、上記治療に加えて難症例や合併症を有するような白内障手術や網膜硝子体手術を得意としています。

当院では、LINEによる無料相談も承っておりますので、お気軽にご利用下さい。

白内障手術

院長 福岡 佐知子 医師
日本眼科学会認定 眼科専門医
後房型有水晶体眼内レンズ(ICL)認定医・エキスパートインストラクター

ICLエキスパートインストラクター認定書

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記事監修者について

日本眼科学会認定 眼科専門医

眼科医 福岡 佐知子

眼科専門病院で17年間勤め、眼科医療の最前線で幅広い専門分野、年齢層の手術に対して多数の執刀実績を持ちます。難症例や合併症を含む白内障手術から眼科手術で最も難しい手術とされる硝子体手術を得意としています。また、国内で眼科医にレーシックやICLの技術的指導を行うインストラクターとしても活動をしています。

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