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白内障手術のデメリットやリスクは?-白内障手術で失敗しないために

白内障は、水晶体という目の中でレンズの役割を果たしている水晶体が濁ることによって、「視力低下」「視界がかすむ」「光がまぶしく感じる」などの症状をきたす目の病気です。

白内障は加齢によって生じることが最も一般的で、早い方では40代で発症し、80歳以上ではほとんど100%の方が白内障を発症しているとされています。現在の目の良し悪しに関わらず、最終的には誰もが白内障になりますので、実は非常に身近な病気でもあります。

治療の基本は手術となります。手術と聞くと不安に思われる方も多いかもしれませんが、現在手術機器や術式の進化により、日帰りで安全かつ効率よく手術が可能となり、日本においては年間160万件以上実施されています。

多くの方が術後の症状の改善や見え方に満足し、快適な生活を取り戻すことができるメリットの多い白内障ですが、もちろんデメリットやリスクも0ではありません。

この記事では日本有数の眼科専門病院に17年勤務し、白内障手術に豊富な執刀経験と実績を持つ当院院長「福岡佐知子医師の監修の元、気になる白内障のデメリットやリスク、安全性について解説します。

この記事で解説していること

✔︎そもそも白内障手術とはどんな治療か
✔︎白内障手術の安全性とその理由
✔︎白内障手術のメリット・デメリット
✔︎白内障手術の合併症や術後起こりうる問題について
✔︎白内障手術に失敗はあるのか

白内障手術とは

白内障

白内障は、加齢をはじめ、アトピーや糖尿病、ステロイド薬の影響、外傷など様々な理由によって、水晶体が濁り視力低下をきたす病気です。世界では失明原因1位となっていますが、医療にアクセスしやすい日本国内においては白内障によって失明することはほとんどありません。多くの場合白内障の進行は緩やかであり、放置して見えなくなる前にほとんどの方が手術を受けられますので、眼科にちゃんと受診すれば、白内障による失明はほとんどないと言っても差し支えないかと思います。

白内障手術では、濁った水晶体を超音波で砕いて摘出し、代わりに人工のレンズ「眼内レンズ」を挿入するで視力を取り戻す手術です。特殊な症例でなければ、片目5~10分程度の日帰り手術で治療が可能です。

白内障手術の手順

白内障手術の安全性

白内障手術は眼内レンズを用いた術式が登場した1950年代ごろは「見えるようになれば良い」とされる開眼手術でした。

現在手術手技や医療機器の発達により安全性が確立され、基本的には日帰りで受けられる身近な外科手術となりました。そして「見えるようになれば良い」という手術から「いかに見えるようにするか」を追求できる手術に変化しました。

眼内レンズも進化し、一度挿入するとメンテナンスや交換の必要性はなく、レンズの寿命も人の寿命よりも長いため、「半永久的」に使用できるとされます。
眼内レンズの選定においては、眼内レンズに対する知見と併せて「適切な検査」と検査に従事する視能訓練士などのスタッフの存在が欠かせません。
当院では屈折異常や多焦点眼内レンズに豊富な知見をもつ視能訓練士が複数名在籍しています。

白内障の検査

術前検査

他の目の疾患の有無や、水晶体を支える「チン小帯」の状態などを調べるために以下の検査を行います。

眼圧検査
細隙灯顕微鏡検査
眼底検査
屈折・視力検査
角膜内皮細胞検査
角膜曲率半径測定
眼軸長検査
採血・血圧検査

術後検査

視力や見え方、特に重要な術後の合併症の有無を調べるために以下の検査を行います。

眼圧検査
細隙灯顕微鏡検査
眼底検査
屈折・視力検査
角膜内皮細胞検査
角膜曲率半径測定
屈折検査

白内障手術のメリット

白内障の症状の治療だけでなく、近視や遠視、乱視などの屈折異常を改善できる
白内障手術で改善できるのは、濁った水晶体を摘出することによる症状の改善だけではありません。
水晶体の代わりに挿入する「単焦点・多焦点眼内レンズ」によって、手術前にあった屈折異常(近視・遠視・乱視)を矯正することができます。
ただし水晶体によるピント調整機能は失われてしまうので、眼内レンズの種類の選択によって、患者様それぞれのライフスタイルに合わせた見え方への調整をします。
例えば、単焦点眼内レンズでは焦点を1つに絞ることで、正常な水晶体時の見え方に近い「クリアな視界」を得ることができます。
多焦点眼内レンズでは2つ以上の複数の焦点に合わせることができ、老眼鏡等が必要のない裸眼での生活を送ることができます。

白内障そのものが再発することがない
白濁した水晶体を全て取り除くので、水晶体が原因となる白内障が再び発症することはありません。
しかし、術後に「目がかすむ」「光がまぶしく感じる」といった白内障特有の症状が再度現れることがあります。
これは白内障の再発ではなく、「後発白内障」といって、水晶体摘出時に周りに残った細胞の増殖が原因となります。
再度白内障手術を行う必要はなく、レーザー治療によって症状を改善することができます。

他の疾患の早期発見や予防につながる
白内障によって水晶体が濁ることにより、眼底の状態が観察しにくくなります。
眼底検査では、重篤な状態への進行可能性の高い「網膜の疾患」を早期発見することが目的です。
白内障手術によって濁った水晶体を提出することで、眼底をしっかりと観察できるようになります。
また、白内障手術を行うことで、緑内障の改善や予防につながります。

白内障手術のデメリット

水晶体によるピント調整機能が失われる
目の中でピント調整の役割を担っていた水晶体を摘出することで、モノを見るときに対象物へピントを合わせることができなくなります。
そのため、水晶体の代わりに眼内レンズ(単焦点・多焦点眼内レンズ)を挿入することによって、ピント調整機能を補います。
しかし、眼内レンズの種類にもよりますが、「合わせた焦点以外ではメガネが必要になる」や「コントラスト感度が落ちる」、「ハローグレアの症状が現れる」などといった眼内レンズ特有のデメリットがあります。

術後の度数のずれ
術前検査によって調整・選択した眼内レンズの度数から稀にズレることがあります。
小さいズレの場合はレーシック(LASIK)による度数の修正(タッチアップ)を行います。
滅多にありませんが、万一度数ずれが大きい場合には、当院ではレンズを摘出し、新しいレンズに入れ替える手術も可能です。

術中、術後のリスク
白内障手術は安全性が高い手術として確立されていますが、内眼手術である以上、合併症のリスクが伴います。
リスクを回避するために「感染症対策の徹底」、「クリーンなオペ環境での手術」が必須となります。
また、患者さまにも術後の過ごし方の注意や、術後検診のご協力が不可欠です。

高齢者の白内障手術のデメリットやリスクは?

白内障手術は10〜20分程度で行える低侵襲な手術であり、年齢の制限はなく、ご高齢の方でも手術は受けることはできます。しかし、白内障は進行性の疾患ですので、高齢になるほど、重症化するケースが多くなります。
なぜなら水晶体は加齢に伴い白く濁るだけでなく、硬化や肥大化も進むことがあるからです。
このような場合は水晶体を摘出する際の切開創が大きくなることで、身体への影響や感染症のリスクも高まることがあります。白内障の早期発見が大切なことはもちろんですが手術を受ける時期は人それぞれ異なりますので、目の状態をかかりつけ医と相談し、ご自身の目の状態を把握した上で適切な手術時期を決定することが重要です。

白内障手術後の合併症・起こりうること

術後眼内炎
白内障手術時の切開創は3mmほどと非常に小さいですが、ごく稀に切開創から細菌などが目の中に侵入し、感染症を引き起こすことがあります。
感染症の確立としては1/6,000(約0.02%)と非常に稀ではありますが、早期かつ適切な処置を行わないと最悪の場合、失明に至る可能性もあります。
早期発見、軽症の場合は点眼や内服薬で治りますが、重症の場合は緊急の手術が必要になります。

眼圧の上昇
一時的に眼圧が上がり、緑内障を発症する可能性があります。
点眼や内服薬によって眼圧を下げることで進行を抑制できますが、稀に緑内障手術が必要になるケースがあります。

飛蚊症
手術後は良好な視界になったものの、視界の中に小さな糸くずや虫のような浮遊物が動いて見える「飛蚊症」という症状が現れることがあります。
これは目の中の硝子体の老化現象が原因となっている場合がほとんどです。
水晶体の混濁によって視界に影響がでていたことで、元々あった飛蚊症に気づいてなく、術後の視力の回復によって気づくことがあります。

眼内レンズの亜脱臼・脱臼
術後に挿入した眼内レンズがズレたり(=亜脱臼)、目の中に落ちる(=脱臼)ことがあります。
水晶体を支えるチン小帯という細い多数の繊維が、加齢や外傷などによって断裂することによって、水晶体の代わりに入ったレンズを支えられなくなることが原因です。
硝子体手術を行って、硝子体を処理した後、レンズを目の中に固定することで再発を防ぎます。

後発白内障
白内障手術後、数ヶ月〜数年以内に一定数の患者さまが白内障と同様の症状を訴えることがあります。
これが白内障の再発ではなく、水晶体を取り囲んでいた袋(水晶体嚢)が濁ったことが原因です。
レーザー手術によって5分ほどで症状を改善することが可能です。

白内障手術に失敗はあるのか?

白内障手術による失明などのリスクはほとんどありません。きわめて安全性の高い手術であり、基本的には安心してお任せ頂いて問題ありません。

一般的に言われる白内障手術における失敗とは、手術自体の失敗というよりも手術時に挿入した眼内レンズが合わなかったり、なんとなく期待していた見え方と違ったという術後の違和感などを指していることがほとんどです。

これらは手術そのものの問題というよりも患者様と医療機関との間のコミュニケーションにおける問題で起きえます。ですので、医師の技量に加え、ちゃんと話を聞いてくれるか、寄り添ってくれるか、そもそもどんな眼内レンズを取り揃えているかなどの観点は白内障手術における医療機関選びの基準にして良いかと思います。

当院の白内障手術について

網膜硝子体手術

院長 福岡 佐知子
Sachiko Fukuoka

当院で実施する白内障手術については、当院院長 福岡佐知子医師が全て執刀します。
また、白内障手術のリスクを最大限回避するために「感染症対策を徹底したクリーンな環境下」で手術を実施しています。
当院院長は、日本有数の眼科専門病院で17年間培ってきた経験と技術によって、難症例や合併症を伴う白内障手術を得意とし、多数の実績を持ち合わせています。白内障手術は安全性が評価され、メリットの多い手術ですが、リスクやデメリットも把握した上で手術を受けるようにしましょう。
当院では、無料でLINEによるご相談も承っておりますので、
どうぞお気軽にご活用ください。

経歴
川崎医科大学附属病院 眼科
姫路聖マリア病院 眼科
多根記念眼科病院 部長
多根記念眼科病院 副院長
多根記念眼科病院 非常勤医師 手術執刀医
ふくおか眼科クリニック 中野 院長

資格
日本眼科学会認定 眼科専門医
後房型有水晶体眼内レンズ(ICL)認定医・エキスパートインストラクター
エキシマレーザーVisix認定医・インストラクター
オキュレンティス社認定医・インストラクター
フェムトセカンドレーザー IntraLase FS Laser認定医
フェムトセカンドレーザー白内障手術Catalis 認定医
虹彩固定型有水晶体眼内レンズ(Artisan)認定医
虹彩固定型有水晶体眼内レンズ(Artiflex)認定医
角膜内リング(Intacs)認定医
角膜内リング(Ferrara ring)認定医
眼瞼けいれん治療ボツリヌス療法認定医
オルソケラトロジー認定医
光線力学的療法(PDT)認定医
Laser Vitreolysis認定医
iStent認定医
身体障害者福祉法指定医

まとめ

白内障手術は安全性が確立され、失明などのリスクは限りなく0に近いです。
そのような意味合いにおいては、白内障手術はほとんど失敗はありません。ただし、前述の通り「見えるようになればいい」から「いかに見えるようにするか」に変化したことによって、医療機関は術後精度の追求が必要となりました。

基本的に白内障手術を受けないという選択はないと思いますが、「受けるべき適切な時期」「眼内レンズ選び」「どの医療機関で受けるべきか」などについてはしっかりと考える必要があります。

当院では、多くの眼科手術を行う施設として、できる限り治療や手術に関する情報をサイト内で公開するように努めております。
またLINEによる治療・手術の相談も実施しておりますので、併せてご活用ください。

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当院では予約優先制を導入しております。
ご予約のない方も診察を承っておりますが、お待ちいただく場合が御座います。
ご理解をいただけますと幸いです。
ご予約をご希望の方はお電話、WEB予約からご予約をお取りください。

記事監修者について

日本眼科学会認定 眼科専門医

眼科医 福岡 佐知子

眼科専門病院で17年間勤め、眼科医療の最前線で幅広い専門分野、年齢層の手術に対して多数の執刀実績を持ちます。難症例や合併症を含む白内障手術から眼科手術で最も難しい手術とされる硝子体手術を得意としています。また、国内で眼科医にレーシックやICLの技術的指導を行うインストラクターとしても活動をしています。

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