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白内障手術の費用について

白内障手術の費用はどれくらい?

白内障手術の費用は、保険適用の場合、3割負担の方は約45,000円、2割負担の方は約30,000円、1割負担の方は約15,000円となります。

上記が白内障手術費用の目安となりますが、患者様はご自身の目に合わせていくつかの選択肢があります。
具体的には、「選ぶレンズの種類(保険適用の有無)」「手術を受ける年齢」「制度や仕組みの利用」などによって自己負担額が変動します。

この記事では、想定されるケースに分けて白内障手術の費用の目安について分かりやすく解説します。

この記事で解説していること

  • ✔︎保険適用の場合の白内障手術費用の目安
  • ✔多焦点眼内レンズ(選定療養)における白内障手術費用の目安
  • ✔多焦点眼内レンズ(自由診療)における白内障手術費用の目安︎
  • ✔年齢別の白内障手術費用の目安
  • ✔高額療養費制度とは
  • ✔限度額適用認定証とは︎

白内障手術の現在

白内障手術は、現在日本国内において年間約160万件実施されており、最も行われている外科手術です。白内障は目の老化現象であり、現状の目の良し悪しに関わらず、誰もが発症します。早い方だど40歳代で始まり、年齢を重ねるにつれて発症率は上がっていきます。80歳以上ではほとんど100%の方が発症するとされます。白内障の根本的な治療は手術のみとなり、時期の差こそあれ、将来多くの方が受けられる非常に身近な手術でもあります。

日帰り白内障手術の費用目安

白内障手術では、濁った水晶体を摘出し、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。手術の際に用いられるレンズの種類によって費用が変動します。眼内レンズには、①保険適用となる単焦点眼内レンズ②一部保険適用となる選定療養対象の多焦点眼内レンズ(国内承認レンズ)③完全に自由診療となる多焦点眼内レンズ(国内未承認レンズ)の3種類があります。

白内障手術の費用目安・保険診療と選定療養と自由診療の白内障手術を比較

単焦点眼内レンズ(保険適用)の場合

単焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、保険適用となり、患者様のご年齢や所得に応じて費用負担が変わります。
日常生活を送る上でメガネの装用が煩わしくないという方には、基本的には保険適用となる単焦点眼内レンズをおすすめします。

単焦点眼内レンズ(保険適用)の白内障手術の費用目安

表はあくまで目安としてご参考にしてください。

現役並み所得者:住民税の課税所得が145万円以上の被保険者とその方と同一の世帯にいる被保険者の方です。

*赤文字表記
の費用は、高額療養費制度を用いた場合の費用目安となります。

通常2割負担の方の場合は、片眼約30,000円、1割負担の方の場合は、片眼約15,000円となります。
高額療養費制度を用いることによって、1割負担、2割負担の方は窓口でのお支払い負担は1月あたり上限18,000円となります。

*3割負担の方は、お支払い上限が所得により異なります。今回は、白内障手術を受けられる方で多くの方が該当する還付後の費用80,100円で記載をしております。

多焦点眼内レンズ(選定療養)の場合

選定療養とは、保険診療と自由診療(自費)を併用することができる制度です。

代表的なものとしては、「差額ベッドへの入院」が挙げられます。
入院をする際に、個室など好条件の病室を希望される場合は保険適用外となりますが、入院の室料の差額分を自己負担することによって、残りは保険が適用されます。

多焦点眼内レンズの中には、一部この制度が対象となるレンズがあり、自己負担額を抑えて白内障手術を受けていただくことが可能です。
選定療養対象となるレンズは、国内で認可されたもののみとなります。

当院で採用している選定療養対象の多焦点眼内レンズ

レンズ外観 TECNIS MULTIFOCAL +4.0D テクニスマルチフォーカル TECNIS Synergy テクニスシナジー PanOptix パンオプティクス FINE VISION ファインビジョン
名称 TECNIS MULTIFOCAL IOL+4.0D
テクニスマルチフォーカル
TECNIS Synergy
テクニスシナジー
PanOptix
パンオプティクス
FINE VISION
ファインビジョン
光学部デザイン 回折型 焦点深度拡張型
+回折型
3焦点回折型 3焦点回折型
焦点距離(ピント) 遠・近
(∞・33cm or 42cm or50cm)
※近方は3種類から選択
近~遠
(35cm~∞)
遠・中・近
(∞・60cm・40cm)
遠・中・近
(∞・75cm・35cm)
乱視矯正 ×
ハロー・グレア あり あり やや少ない 少ない
生産国 アメリカ アメリカ アメリカ ベルギー
メーカー ジョンソン・エンド・ジョンソン ジョンソン・エンド・ジョンソン アルコン Phys IOL
二焦点レンズ(テクニスマルチ) 240,000円(税込)
三焦点レンズ(パンオプティクス) 350,000円(税込)
三焦点レンズ(パンオプティクス:乱視用) 400,000円(税込)
三焦点レンズ(ファインビジョン) 350,000円(税込)
連続焦点レンズ(シナジー) 350,000円(税込)
連続焦点レンズ(シナジー:乱視用) 400,000円(税込)
クラレオンビビティ(Clareon Vivity) 350,000円(税込)

※上記片眼の費用になります。
※上記費用に加えて手術費用(保険診療分)が別途かかります。

多焦点眼内レンズ(自由診療)の場合

自由診療とは公的な保険が適用されない診療のことで、治療にかかる費用は完全自己負担(10割負担)となります。
白内障手術においては、多焦点眼内レンズのうち、国内未承認のレンズが自由診療の枠組みとなります。

当院で採用している自由診療の多焦点眼内レンズ

レンズ外観 ALSAFIT FOURIER アルサフィット フーリエ Lentis Mplus レンティスエムプラス Intensity インテンシティ
名称 ALSAFIT FOURIER
アルサフィット フーリエ
Lentis Mplus
レンティスエムプラス
Intensity
インテンシティ
光学部デザイン 3焦点回折型 2焦点分節屈折型 5焦点回折型
焦点距離(ピント) 遠・中・近
(∞・75cm・35cm)
遠・近
(∞・40cm)
遠・遠中・中・近中・近
(∞・133cm・80cm・60cm・40cm)
乱視矯正
ハロー・グレア 少ない 少ない 少ない
生産国 ドイツ ドイツ イスラエル
メーカー ALSANZA Oculentis Hanita Lenses
二焦点レンズ(レンティス) 605,000円(税込)
二焦点レンズ(レンティス:乱視用) 715,000円(税込)
三焦点レンズ(アルサフィットフーリエ) 605,000円(税込)
三焦点レンズ(アルサフィットフーリエ:乱視用) 715,000円(税込)
五焦点レンズ(インテンシティ) 550,000円(税込)
五焦点レンズ(インテンシティ:乱視用) 616,000円(税込)

※上記片眼の費用になります。

白内障手術の費用負担を抑える方法

白内障手術は、基本的には保険適用となり、前項でご年齢や所得に応じてどのように費用が変わるのかを解説しました。
保険適用の白内障手術を受ける場合には、制度の利用、条件を満たすことにより費用負担を軽減する方法が幾つかあります。
ここでは、白内障手術費用の負担を抑える制度についてご紹介します。

高額療養費制度の適用・限度額認定適用書の提示

日本では、高額な医療費が国民の生活を圧迫しないような制度が用意されています。
個人の年齢や所得、世帯などによって異なり、治療費のうち、一部払い戻しがされたり、窓口での支払額を抑えたりすることができます。

これらの制度は医療費の自己負担限度額が年齢によっても変動し、70歳が1つの境目となります。
白内障手術を検討しているが、特段急いで手術を受ける事情がないという方は70歳を向かえてから手術を受けることも選択肢になりえます。

また、白内障手術を両眼実施する場合、基本的にはリスク回避の観点から片目ずつ別日で行いますが、手術を受ける間隔を、別の月でなく、同じ月に両眼の手術を行うことで費用を抑えることができる場合があります。
高額療養費制度や限度額認定証では、個々に医療費の自己負担上限があり、その月の医療費が上限を上回っている場合には、上限までの負担で抑えることができます。

加入されている医療保険の適用

個人でご加入されている医療保険によっては、白内障手術が手術給付金の支払い対象になることがあります。
その場合は、あらかじめご自身が加入されている保険会社に白内障手術が給付対象になるか確認しておくようにしましょう。

高額療養費制度について

高額な医療費をお支払いの場合、
一部払い戻しを受けられます

日本において、医療費が高額になった場合、還付(払い戻し)がされる制度として高額療養費制度があります。高額な医療費が国民の生活を圧迫しないように設けられた制度で、手術などを受けて1ヶ月間にかかる医療費の自己負担額が高額になった場合に、基準額を超えた分が現物給付されます。
自己負担限度額は、個人の年齢、所得、世帯によって異なります。
限度額認定証がない場合でも、後日申請することで払い戻しを受けることも可能です。

高額療養費制度の解説

70歳未満の方の自己負担限度額

70歳未満の方の自己負担限度額

標準報酬月額は、ご加入の社会保険にお問合せください。

70歳以上の方の自己負担限度額

住民税非課税世帯Ⅱ:I以外の方
住民税非課税世帯Ⅰ:年金収入の方の場合、年金受給額80万円など総所得金額が0の方

限度額適用認定証について

高額療養費制度では後から還付(払い戻し)を受けられますが、一時的な支払いの負担は大きくなります。
同月で白内障手術やレーザー治療など高額な治療を受けることが前もって分かっている場合には、限度額適用認定証を提示することによって、窓口での支払額は限度額(年齢や所得によって定められた一定の金額)までとなり、一時的な立て替えの必要もなくなります。

限度額適用認定証

認定証は、ご自身が加入している「健康保険組合」や「市町村の国民健康保険、後期高齢者医療制度」、「国保保険」、「全国健康保険協会」、「共済組合」に申請すると発行されます。

自己負担限度額の適用は、それぞれの医療機関ごとの算定となりますが、同一月に複数の医療機関にかかった場合は、合算したものを上記窓口に申請することによって、後日払い戻しを受けることができます。

※70歳未満の方は自己負担が21,000円以上のものしか合算できません。

詳しい内容はご自身の「認定証」申請先でご確認ください。

高額療養費制度と限度額認定証の違いについて

保険適用される診療や治療に対し、患者様のお支払いする自己負担額が対象となる点が2つの制度の共通点です。
またどちらの制度を利用した場合においても最終的にお支払い頂く金額は同じになります。
先に患者様で負担して後から還付(払い戻し)を受けるか、前もって申請して窓口で上限額分を負担するかが2つの制度の違いになります。

まとめ

ここまでケース毎における白内障手術の目安、白内障手術の費用負担を抑える方法について解説してきました。
最後にこれまでの内容を簡潔にまとめます。

白内障手術の費用について

①保険適用の有無(選ぶ眼内レンズの種類)によって自己負担額が変わる
白内障手術で用いられる眼内レンズには、保険適用の単焦点眼内レンズ、一部保険適用となる選定療養対象の多焦点眼内レンズ、完全自由診療の多焦点眼内レンズの3種類があります。

②手術を受けられる年齢によって自己負担額が変わる
70歳未満の場合、70歳以上75歳未満の場合(現役並み所得者を除く)、75歳以上の場合(現役並み所得者を除く)によって窓口負担額が異なります。


③制度や仕組みの利用によって自己負担額を抑える方法がある
後から払い戻しを受けられる「高額療養費制度」、前もって提示することによって窓口負担を抑えられる「限度額認定証」の活用、個人で加入されている医療保険などの適用により、自己負担額を抑えられる場合があります。

白内障は、現在の視力の良し悪しに関わらず、最終的には誰しもが発症し、多くの方が手術を受けられることになるかと思います。
基本的には人生1度きりの手術となりますので、ご自身のライフスタイルやご希望の見え方に関わるレンズ選びが重要なことは勿論のこと、手術費用や関連する制度や仕組みについて理解しておくことも同様に大切になります。白内障手術をこれから受けられる方にとってご参考になれば幸いです。

当院の白内障手術について

当院で行う白内障手術は、当院院長の福岡佐知子医師が全て執刀します。
これまで眼科専門病院に17年間在籍し、白内障の中でも難症例や合併症を有する症例を得意とし、手術難易度の高い症例に対して豊富な経験を持っています。

白内障手術で使用する眼内レンズについても院長自ら厳選したレンズのみを採用しています。レンズの選定は、白内障手術後の生活の質に直結します。当院では、眼内レンズに精通したスタッフが複数名在籍しております。LINEでの無料相談も実施しておりますので、お気軽にご利用くださいませ。

白内障手術

院長 福岡 佐知子 医師
日本眼科学会認定 眼科専門医

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当院では予約優先制を導入しております。
ご予約のない方も診察を承っておりますが、お待ちいただく場合が御座います。
ご理解をいただけますと幸いです。
ご予約をご希望の方はお電話、WEB予約からご予約をお取りください。

記事監修者について

日本眼科学会認定 眼科専門医

眼科医 福岡 佐知子

眼科専門病院で17年間勤め、眼科医療の最前線で幅広い専門分野、年齢層の手術に対して多数の執刀実績を持ちます。難症例や合併症を含む白内障手術から眼科手術で最も難しい手術とされる硝子体手術を得意としています。また、国内で眼科医にレーシックやICLの技術的指導を行うインストラクターとしても活動をしています。

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