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近視の中で、度数が-6.00D以上の場合、「強度近視」に分類されます。
強度近視が発症の原因となる目の病気は少なくはなく、白内障の発症リスクも高める可能性があります。
強度近視の場合「通常の白内障手術は行えないのか」、「白内障手術で強度近視を改善できるのか」という疑問をお持ちの方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では強度近視による白内障のリスク、強度近視の方の白内障手術について詳細を解説します。
この記事で解説していること
✔︎強度近視とはどのような症状か✔︎強度近視と白内障の関係性について✔︎強度近視の方の白内障手術について✔︎眼内レンズで強度近視は矯正可能か✔︎強度近視の方が眼内レンズ選びで気をつけること
近視などの「屈折異常」が進行していない正常な眼球は、前後の長さ(眼軸長)が直径24mm程度です。この眼軸長が直径26.5mm以上ある場合や、近視の度数が-6.00Dを超えている場合は「強度近視」に当てはまります。強度近視の場合は眼軸長が長くなることから、正常な眼軸長では届かない眼球の後方部分を圧迫し、「網膜」「脈絡膜」「視神経」などの目の後方組織に悪影響を及ぼします。強度近視によって、後方組織に病的な変化を起こした場合は「病的近視」といい、病的近視の状態ではメガネやコンタクトレンズで視力矯正を行っても正常な視力を得ることが難しくなります。
強度近視は様々な病気を誘発し、白内障の発症リスクも高める恐れがあります。
白内障とは、ピント調整機能を担う「水晶体」が加齢などの原因によって白く濁り、見え方に支障をきたす病気です。白内障は「老化現象」の1つでもあり、視力の良し悪し関係なく、誰でも年齢を重ねることによって水晶体が濁っていきます。年代ごとの発症割合は5~60代の方は半数以上、70歳を超えると9割以上の方が加齢性白内障を発症します。しかし、強度近視の方は、近視がほとんどない人に比べて早期に白内障が発症し、40代で発症することも少なくはありません。
白内障の治療方法は手術が第一選択となります。
白内障手術では濁った水晶体を砕いて取り除き、水晶体のピント調整機能の代用となる「眼内レンズ(単焦点・多焦点眼内レンズ)」を挿入します。
白内障手術を受ける時期は患者さまの目の状態や生活スタイルによって、人それぞれ適した時期は異なります。適切な時期になるまでは点眼薬を用いて、白内障の進行を抑制する方法もあります。
しかし、強度近視の方が白内障を患った場合、早期の手術が必要になります。理由としては主に以下の2点が挙げられます。
強度近視の方の白内障は、近視がほとんどない方に比べて、進行速度が早い傾向があります。
白内障手術を実施するタイミングとして、基本的には白内障特有の症状や視力低下によって、日常生活に何かしらの影響が出た場合に手術を検討します。
元々強度近視により視力が低い状態で白内障を患うことで、見え方の悪化や視力低下が著しくなり、日常生活に大きく支障をきたします。そのため、早期の手術による白内障の改善によって、視機能4(モノを見る力)を取り戻すことが大切です。
強度近視の方は、眼球の後方部が変形し、目の後方(眼底)の組織に病的な変化をもたらす可能性があります。これらの眼底疾患は、国内の失明原因の中で上位を占めています。
強度近視の方は眼底疾患の可能性が高まることから、定期的な「眼底検査」が非常に大切です。しかし、水晶体の濁りが強くなることで、目の奥が見えにくくなり、眼底カメラを使用した際に眼底異常の有無を確認することが困難になります。
つまり、白内障による水晶体の白濁によって眼底疾患の発見が遅れるというリスクがあります。眼底疾患の発症確率が高い強度近視の方は早期の白内障手術によって濁った水晶体を摘出する必要性が高くなります。
白内障手術による水晶体摘出後、代わりに挿入する「眼内レンズ」には様々なタイプがあり、強度近視に対応できる度数のレンズもあります。
中でも多焦点眼内レンズでは、白内障と併せて近視などの「屈折異常」や「老眼」も同時に改善することができます。多焦点眼内レンズは水晶体のピント調整機能が失われても、2箇所以上の焦点距離にピントを合わせることが可能なレンズです。
人生の中で長らく強度近視で、メガネやコンタクトレンズが日常不可欠だった方も、多焦点眼内レンズの選択により、裸眼での日常生活を取り戻すことができます。
多焦点眼内レンズの種類によって、PC作業に向いている中距離から遠方にかけての見え方を重視したものがあります。その場合、読書や新聞、手元の作業に必要な近方距離の見え方が弱くなり、場合によっては老眼鏡が必要です。
強度近視の方の場合は遠方の見え方が落ちる分、手元の見え方に慣れています。近方の見え方が弱くなるレンズを選んでしまうことで、今までよく見えていた近方が見えづらくなり、見え方の不満に繋がることがあります。
眼内レンズの種類は多種多様あり、患者さまの術前の見え方や術後のライフスタイルを十分に加味した上で検討することが重要になります。
院長 福岡 佐知子Sachiko Fukuoka
眼科専門病院で17年間勤務し、難症例や合併症を有する白内障手術に対して多数の実績と豊富な経験を持った院長が全ての執刀を行います。当院院長はICLやレーシックなどの「屈折矯正手術」のインストラクターとしても活動していることから、強度近視をはじめとした「屈折異常」に精通しております。強度近視をお持ちで白内障手術が心配な方、術後の見え方に不安のある方もお気軽にご相談ください。また、医師だけでなく、眼内レンズに精通したスタッフが複数名在籍しておりますので、患者様の現在の視力と術後の見え方の双方を考慮した上で、ライフスタイルに合う眼内レンズを多角的な観点から提案させていただきます。
経歴川崎医科大学附属病院 眼科姫路聖マリア病院 眼科多根記念眼科病院 部長多根記念眼科病院 副院長多根記念眼科病院 非常勤医師 手術執刀医ふくおか眼科クリニック 中野 院長
資格日本眼科学会認定 眼科専門医後房型有水晶体眼内レンズ(ICL)認定医・エキスパートインストラクターエキシマレーザーVisix認定医・インストラクターオキュレンティス社認定医・インストラクターフェムトセカンドレーザー IntraLase FS Laser認定医フェムトセカンドレーザー白内障手術Catalis 認定医虹彩固定型有水晶体眼内レンズ(Artisan)認定医虹彩固定型有水晶体眼内レンズ(Artiflex)認定医角膜内リング(Intacs)認定医角膜内リング(Ferrara ring)認定医眼瞼けいれん治療ボツリヌス療法認定医オルソケラトロジー認定医光線力学的療法(PDT)認定医Laser Vitreolysis認定医iStent認定医身体障害者福祉法指定医
●強度近視は眼底疾患を引き起こしやすいだけでなく、白内障の発症リスクを高めることがある
●強度近視の方は、白内障の進行が比較的早い傾向にあり、白内障を患うことで日常生活へ支障がより大きくなるため、早い段階での手術が大切になる
●強度近視の方が発症しやすい眼底疾患の検査は、白内障による水晶体の濁りが検査の妨げになるので、早期の白内障手術の必要性がある
●白内障手術は、強度近視の場合でも通常どおり行うことができ、挿入する眼内レンズの種類によっては術後は裸眼で過ごすことが可能になる
記事監修者について
日本眼科学会認定 眼科専門医
眼科医 福岡 佐知子
眼科専門病院で17年間勤め、眼科医療の最前線で幅広い専門分野、年齢層の手術に対して多数の執刀実績を持ちます。難症例や合併症を含む白内障手術から眼科手術で最も難しい手術とされる硝子体手術を得意としています。また、国内で眼科医にレーシックやICLの技術的指導を行うインストラクターとしても活動をしています。
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